ザ・バットマン：ダークナイトの衝撃再び（って感じで。）：弥子葉な毎日：SSブログ

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ザ・バットマン：ダークナイトの衝撃再び（って感じで。）　[映画] [編集]

The Batman (2022)
※本作のIMDb写真は撮影風景が多く劇中写真が少ない感じ。

上映時間って公開劇場数を決める上ですごく重要で、短くカットして公開する作品も多い中、ダークナイト＆ジョーカー後の新章だから「３時間でも観客入るだろ？」って魂胆で平気でこの超大作を公開したんだろうけど(嘘;)、正直「よく３時間に収めたな～」ってのが私の感想。逆にあっという間だったもの。真っ赤なワーナーブラザーズのロゴで始まって真っ赤なエンドクレジットが流れ終わるまで。ダークナイトレベルの衝撃というか重さを感じる脚本に魅せられたよ。重量感溢れる打撃音で打ちのめされる日々を繰り返すバットマンを「孤高のヒーロー」以外の言葉で表現出来ないぞ。そして全編を通して見せられる暗く混沌としたゴッサムシティの街並みね。アメリカにすら見えないし。腐敗にまみれたこの街に冒頭からげんなりするけど大丈夫。彼の苦悩と闘いを経てラストの「先の見えない希望」へ突き進む彼の姿に新しい傘（＝コウモリなんて死語だよな）を買いたくなる事でしょう・・・？ゴメン、話がそれた。いや、私がレイトショー観た夜は暴風雨で傘の骨が一本曲がってさ～。雨のディズニーランドで家族４人で一本ずつ買ったお気に入りの傘だったのにぃ～。(泣;)

本作、彼のこの表情で鑑賞を決めた。ヒース・レジャーの「肌に刷り込まれた白ペイントのジョーカー」とダブってみえたもん。一人で悪と闘い二年目の若きブルース・ウェインを演じるこのロバート・パティンソン？あれ？「TENET」の彼かい？「TENET」大好きだけど全然気づかなかったぞ。だって全く別人に見えるもの。全編通じてこの表情。(爆;)本作は武器担当者の開発シーンが無いのでホントに一人で何もかもやってる感を出しているせいか、終始テンション低い。何が凄いってこの人、敵陣に乗り込む時に素顔でもマスク被っても同じ台詞で自己紹介するんだもん。(笑;)これがまたカッコいい。両親の意思を継ぐべく奮闘するものの衝撃の過去を知り苦悩する。何が悪か混沌とする中で時折みせる優しい表情がいいね。今回、秘密兵器的な各種ギミックが控えめなのは脚本上のエンタメ度を下げる為と二年目のせいか？本人もまだおっかなびっくりで使っている感じがするし。ビルから飛び降りるのもワイヤーで飛び上がるのも実際は怖いぞ～。そんな彼が絶望を乗り越え己の道を再認識する姿・決意に胸を打たれること間違いない。唯一不満は彼のバイクの印象薄い事かな？（ディテールよく見えなかったぞ。）「～ライジング」でアン・ハザウェイの乗るバットポッドがカッコよくてね～。バットポッドになりたかったもん。(爆;)
今回の悪役も地味～に恐ろしい。どこにでもいそうな彼の境遇に一瞬同情しそうになるがどんどん彼の狂った思想が恐ろしくなってくる演技と演出の凄さよ。主人公が思ってもいなかった事実と別の目線から主人公を観ていた悲惨な人生を目の当たりにする。ゾアテック事件を彷彿させる彼の手口と彼に共感する者が出てくる展開に恐ろしくなったよ。
その他キャストもみんな魅力的で重々しい演技に心底感動するんだけど実はあまり思い入れもなく。猫耳の出ない安物マスクをつけるキャット・ウーマン、ビックダディ林下にしかみえないゴードン警部、痩せてしまったジョン・タトゥーロ、最後まで誰かわからなかったコリン・ファレル（ここまでメイクして出る役かい？）、と申し訳ないけど私には魅力が伝わらなかった。自作に期待か？（出るならね；）

PS.胸のコウモリマークを取り外してカッターナイフ代わりにするシーンがジワジワ面白かった。あれは何だ？アイスラッガーみたいなものか？若しくはグレートマジンガーの胸のVのヤツか？(悩;)
それと公開日を3.11に決めた配給会社がもし後半の展開を知っててこの日に決めたのなら俺は奴らの人間性を疑うぞ。まぁ誰のせいでもない話だけどさ。