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ミッション:8ミニッツ ・・・ 宣伝文句以外は傑作だよ! [映画]

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ミッション:8ミニッツ
原題: SOURCE CODE
http://disney-studio.jp/movies/mission8/
http://movies.yahoo.com/movie/1810150340/info

♪ 時間旅行しているみたいに~ (一つ前の記事に貼った「来年の夏も」の1フレーズ。)

・・・という訳で先週金曜日(公開初日)のレイトショーで観た。若干抵抗はあるものの、(私の数少ない劇場観賞作品では)今年の暫定No.1。




あえて例えるとシックス・センスのような予想外な幸福感を感じた。20歳以上の男女全てにお勧め。(年齢制限がつく内容じゃないんだけどね。)「列車爆破テロの直前に戻り犯人探しをする」なんて聞いたらフツー、「タイムトラベル物」って思うじゃん。タイムパラドックスとか、SFのフィクション部分に現実性を持たせる為にどんな仕掛けがあるのか楽しみにしてたら、ちょっと違った。(SFには違いないけどね。)恐らく「映画通ほど騙される」って宣伝文句にそんなに騙されなかった私は映画通じゃないんだろうな。(爆;)イヤ、マジで観客をびっくりさせるようなどんでん返しがある訳じゃない。「謎」も中盤で観客(私)も気付き始める・・・と思ったら、きちんと解説されちゃうし。何が面白いかって、「人生最悪の状況でどんな選択をするのか?」っていう1点だと思うんだよな。もちろんその過程でドキドキハラハラ、スリリングな展開にはなるんだけどさ。私自身の解釈にも疑問が残るので、その辺を含めて以下、ネタバレありの感想を書くので未見の方は閲覧禁止。(ご覧になった方、ご意見・解説求む!)繰り返すけど私はこれ、凄く面白かった。たった100分間の上映時間を座っているだけでこんなに幸せな気持ちになれるんだもの。ちょっとでも興味があったら映画館へ走れ!もちろん自己責任で、本当に走る際には横断歩道で右見て左見て手を上げて。




プロットとしては「12モンキーズ」「バンテージ・ポイント」「バタフライ・エフェクト」みたいなもので、若干「マトリックス」気味かな?主人公(若しくは観客)が何度も何度も同じ事を繰り返す話。(爆;脱線するけど、「ロミオとジュリエット」の解説を、「何度自害しても生き返るゾンビ化した二人」と解説した江口寿の「ストップ!ひばりくん」は秀逸!

実験プログラム「source code (=原題)」とは何か?列車爆破テロで死亡した人達の「最後の8分間の記憶」をデータベース化して(←こういう解釈でOK?)、その世界の住民(犠牲者の一人)に成り代わり、8分間だけの擬似世界で事件の捜査をする。軍人である主人公は、その世界では軍人でも警官でも無い、ただの一般市民でしかない。そんな状況下で、たった8分で一体何を見つけられるというのか?この世界に8分後は無い。時間切れになると元の世界に戻るが、前回の反省を踏まえてまた捜査を繰り返す。何度も繰り返される8分間の世界に戻る度に、少しずつ主人公の行動も変り(効率が良くなり)、登場人物の言動も少しずつ変わっていく。暴力も辞さない強引な捜査をするが、人権侵害も何も気にする必要もない。なぜなら8分後の世界は無いのだから。この世界は「過去の再現」なので「未来を変える事」は出来ない。(例え爆弾と犯人を見つけても爆破テロ自体は防げない。乗客を電車から連れ出しても8分後の未来に生きている訳ではない。)そこで主人公は思う。本当にそうなのだろうか?そもそも自分はいつこのミッションに参加したのか?部隊の仲間はどうしたんだろう?家族に連絡を取りたい。このミッションはいつまで続くのか?「最後の8分間」の世界で独自調査をして知った自分の運命。一体、今の自分は何なのか?(←あえて衝撃と言えばココが衝撃かな?)

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不満を先に挙げると、この作品は「最後の瞬間」、100歩譲っても「再び時間が動き始めた直後」でエンディングとなるべきだと思う。(それなら100点満点だったのにぃ~!)それと、「第一の爆破で犯人は生きているので、8分の世界にいるのはおかしい」とか、「過去からの情報により未来が変わるのが腑に落ちない」という些細な不満もある。(過去の日付で最近発信された通話・メールにより何かが変わったのかな?)ラストの女性担当官がお咎め無くなったのも不可解。体を乗っ取られた男の魂の行方も気になる。(う~ん・・・解釈についてご意見・コメント求む!)

・・・でも私はそんな些細な不満を差し引いても、主人公の「優しい選択」に感激した。彼自らが問いかける「残り人生があと1分だったら何をしたい?」彼が(画面を通して)会話している人達は、電気信号として変換された記号としてしか自分を観ていないと知った時、私ならどうするだろう?(マトリックスみたいな人生になるなんて・・・ね。)やはり必死に抵抗するんだろうか?誰かの為に何かをしようと思うだろうか?任務を果たしてもこの「8分間後の世界」は変らない。でも彼は「今なら救える現実の未来」と、「乗客に残された時間」の為に奮闘する。約束された「自分の残り人生」の中で生前の願い(心残り)を果たし、自分(が乗り移った男性)との幸せを望む女性の願いだけでなく、既に過去の記録でしかない乗客達にまで笑顔を与えたのだ。こんな幸せなエンディング無いぞ!ラストの8分間なんて、今までの鬱憤を晴らすようにスイスイス~イって、もう軽快軽快だし。(笑;)

私はその後の展開は考えない事にした。その方向に疑問を持つとつまらなくなりそうだもの。私が感動した部分はほんの僅かな要素でしかないけど、不満な部分を許容さえすれば今年のNo.1。前述の理由で賛否両論分かれそうな内容だけど、巷の評価は良すぎる気がする。再認識したけど、やはり「映画通ほど騙される」という宣伝文句こそ痛恨の蛇足だな。(爆;)


という訳で・・・ぜひ劇場でどうぞ!
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コメント 30

non_0101

こんばんは。
そうそう、あの宣伝文句はいらないですよね^_^;
もっと素直に観た方が楽しい作品なのに。
でも、とりあえず私もかなりお気に入りの1本になりました☆
by non_0101 (2011-11-04 00:20) 

たいへー

お・・・珍しくお勧めしてる。
満足されたのですね。
by たいへー (2011-11-04 08:27) 

たいちさん

8分の物語を100分に映画にしていることに驚きですね。幸せな気持ちにさせてくれる映画なら、是非観たいですね。
by たいちさん (2011-11-04 11:03) 

arkstar

私もここで、スタッフロール出して終わりでしょ?って感覚だったので、その後のシーンは蛇足感を感じました。
ヒットしたら続編化出来るように?って読んでしまったのですが。

>「映画通ほど騙される」
この部分、最期まで見て、何を騙されたんだろう?と思ったのですが、
宣伝文句に騙されたんですよね(^_^;)
by arkstar (2011-11-05 09:12) 

コザック

こんばんは
楽しかったですね。私も好印象です。
宣伝文句は、蛇足というか・・・コピーとしては失敗作ですね。

>体を乗っ取られた男の魂の行方も気になる
私はそんなこと気にも止めませんでしたが、確かに気になります。自分は助かるのですが、本当の教師さんは何処にいっちゃったんでしょうかね。一人が助かる代わりに一人がいなくなるんだと問題ありありですね。
by コザック (2011-11-07 00:10) 

YaCoHa

PS.巷のレビューで時々名の挙がった「デジャブ」、先日のTV放映を録画たので観たけど、これも凄く面白かった。こちらも設定上のアラは気付かない振りした方がいいのかな?(笑;実はヴァル・キルマーの太り始めの姿の方が気になった。)でもこれは「ミッション~」とは同系列じゃないと私は思う。だって、リピートしないもの。(爆;)
by YaCoHa (2011-11-07 21:46) 

YaCoHa

non_0101 さん、ありがとうございます。
私もこれは素敵なお話だと思いました。多少のアラは目を瞑りましょう。(笑;)宣伝部門も観客動員の為にアレコレ考えてるんでしょうけど、作品に見合うだけの的確なキャッチが欲しいと感じました。
by YaCoHa (2011-11-07 21:50) 

YaCoHa

たいへー さん、ありがとうございます。

あらっ?珍しいですか?(爆;)マズイ、気付けば私は文句ばっかり言ってたのかもしれません。面白い作品はより面白く、面白くない作品はそれなりの感想を書くつもりだったのですが・・・気をつけよう・・・。(泣笑;)
by YaCoHa (2011-11-07 21:52) 

YaCoHa

たいちさん さん、ありがとうございます。
それは、リピートするからです。(笑;もちろんそれだけじゃありませんよ!)私は本当に幸せな気持ちになりました。きっとデートムービーにも最適だと思いますよ~。
by YaCoHa (2011-11-07 21:54) 

YaCoHa

seis さん、ありがとうございます。
by YaCoHa (2011-11-07 21:54) 

YaCoHa

arkstar さん、ありがとうございます。

> 宣伝文句に騙された

なるほど!その通り!(笑;)
多分これはB級映画扱いになりそうですが、B級映画枠を使い切るためにも?あそこで終幕となって欲しかったです。でもそれを除けば大傑作!?
by YaCoHa (2011-11-07 21:57) 

YaCoHa

paraden さん、ありがとうございます。

by YaCoHa (2011-11-07 22:00) 

YaCoHa

eins さん、ありがとうございます。
by YaCoHa (2011-11-07 22:02) 

YaCoHa

hash さん、ありがとうございます。
by YaCoHa (2011-11-07 22:02) 

YaCoHa

コザック さん、ありがとうございます。
もしかしたらあの宣伝文句、本当に何か「通」しか知らない事がちりばめられていたら困っちゃいますけどね。(苦笑;)半分アレに釣られて観に行った感もあったのでちょっと残念。
教師は・・・もしかして初めっから8分世界には呼ばれなかったのかも?(爆;)
by YaCoHa (2011-11-07 22:05) 

YaCoHa

nomame さん、ありがとうございます。

by YaCoHa (2011-11-07 22:08) 

YaCoHa

ランランラン太郎 さん、ありがとうございます。
by YaCoHa (2011-11-07 22:09) 

YaCoHa

バラサ☆バラサ さん、ありがとうございます。

by YaCoHa (2011-11-07 22:11) 

リンさん

そんな宣伝文句があったことは、見た後で知りました^^

このラストはわかりづらかったですよね。
別の世界に行って生きてるってことなんですよね?
結局あの本当の体(ちょっと気持ち悪かった)は、そのまま残ってるんでしょう?
説明不足でしたよね。ラストをもう少し長くしてもよかった気がします。
by リンさん (2011-11-09 17:33) 

YaCoHa

nyanさん、ありがとうございます。
by YaCoHa (2011-11-14 23:55) 

YaCoHa

えーちゃんaaaさん、ありがとうございます。
by YaCoHa (2011-11-14 23:56) 

YaCoHa

リンさん さん、ありがとうございます。
多分・・・残ってるんでしょうね。(爆;)未だにラストの解釈は疑問も残るのですが、まぁ、この際、目を瞑って。(笑;)
by YaCoHa (2011-11-14 23:57) 

YaCoHa

キキさん、ありがとうございます。

by YaCoHa (2011-11-14 23:58) 

YaCoHa

マチャさん、ありがとうございます。
by YaCoHa (2011-11-14 23:58) 

inuneko

パンフによるとラストは脚本無いそうですね。監督の解釈でってことらしいです。
ラストのメールを受け取ったグッドウィンがお咎めなしなのは彼女が「まだ」やっちゃってないから、ですね。
(ってのはわかるんですが、どうしてその時間差が生まれるの?ってのはワカンナイ!(笑))
by inuneko (2011-11-16 21:18) 

YaCoHa

inuneko さん、ありがとうございます。
えっ!脚本なしであんな感じ・・・いいのか悪いのか微妙ですね。(笑;)やっぱり色々難解さが残りましたね。でも・・・私は大好きです。
by YaCoHa (2011-11-18 22:45) 

いぬみち

長くなりますが自分の解釈はこうです。

本文の伏字部分に触れるので注意してください。

「第一の爆破で犯人は生きているので、8分の世界にいるのはおかしい」

そもそもプログラムは「死者の8分間の記憶をデータベース化したもの」
ではないと思います。

現実そのものをデータベース化してプログラムされたものがまずあって
そこの8分間だけ特定の人の意識に入り込むことが可能
という解釈でないと、犯人ばかりか、中で他の事故とは無関係な人が
わんさか出てくる事もおかしくなってきますしオチにもつながりません。

「過去からの情報により未来が変わるのが腑に落ちない」

一応ここがコピーが示す「騙される」部分なのだと思います。

YaCoHaさんがおっしゃる通り8分間が終わった瞬間で終わると
切ないエンディングとしてしっくりくるわけで
映画通だとそこで終わるのがベストだと思うでしょ?
って意味なんじゃないかと思います。

うるせーよって話ですが
この映画はずっとその先に対する伏線を張っています。
主人公の言動には要注目です。

「過去で何をやっても現実は変わらない
だってプログラムだから」
と映画の中でも繰り返し語られるわけですが
この場合の「現実」とはプログラムを体験していない人の
爆破事故後の世界にいる人の「現実」です。

最後のあれは未来が変わったんじゃなくて
彼が接続しなおした新しい世界のほうの「現実」の描写です。

inunekoさんが上で書いている通り彼女は「まだ」やってません。
なぜならあそこは爆破事故がおこらない世界ですから。

元の世界ではおそらく彼女は処分されてるでしょうし
彼は死んでると思います。

つまり現実世界がSOURCE CODEで表現可能
あるいは今いるこの世界だってそうして誰かに書かれた世界かも?
という世界観の話なのだと原題がそのままなら
伝わったかもなと思います。

長くなりついでに言えば
そんなデジタルな世界観でひたすら他者を思いやるとか
単に列車で隣り合わせただけの他人にも人生があるんだとか
素晴らしく人間的なメッセージが込められまくりなので
観た後が爽やかなんじゃないかと思います。

さらに蛇足
教師の魂はきっと眠っている元主人公の中にあって
目覚めて最初はパニックになりながらも
仕方なく組織に協力して
次第にいろんな人の意識に潜って世界を救う仕事に夢中になるが…
みたいな脳内続編に繋がってます。

現実では続編いらないんで監督の新作楽しみです。
前作「月に囚われた男」も面白いんで未見でしたら是非。

コメント欄にブログ並の長文失礼しました。

by いぬみち (2011-11-19 12:32) 

YaCoHa

いぬみちさん、凄いコメントありがとうございます。(笑;)
すげ~・・・目から鱗というか開眼したというか、私の草ブログにはもったいない解説、感謝です。(なるほど!)そういう見方が出来なかった(私)が悔しいです。舞台が限られた車両しかないのが気にかかってたんですけど、「特定の人の意識に入り込むことが可能」という点が「データベース化」と解釈しないと理解できなかったので・・・DVDで復習します。(爆;)「月に囚われた男」、は未見ですが評判良いですね~。近所のTSUTAYAに行くといつもレンタル中なので・・・そのうち観たいです。(笑;)
by YaCoHa (2011-11-21 23:34) 

YaCoHa

のむら さん、ありがとうござます。
by YaCoHa (2011-11-23 22:10) 

YaCoHa

タッチおじさん さん、あら~。こちらもまたありがとうございます。
by YaCoHa (2011-12-05 20:43) 

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