SSブログ

ガンパウダー・ミルクシェイク:夢見る少女じゃいられない話 [映画]

GunpowderMilkshake_01.JPG
Gunpowder Milkshake (2021)

思いっきりネタバレで文句垂れるので未見の方は以下閲覧注意。
最寄りのUSシネマ系で上映してないので、車で1時間かけてTジョイ系劇場で鑑賞。ふざけたタイトルと予告編で予想出来得る範囲で楽しめたぞ。上映終了直前に大画面でこの快作を観れてよかった~、という大前提での話なので心して聴いてくれい。巷の低評価はよくわかる。私自身これはキャストのカリスマ性と描写不足だと思う。主要キャラの背景・感情表現が不足してるのと、各々の魅力を引き出せていない撮り方か。「引退したプロ」が以前はどれだけのプロだったか想像できないとラストの大バトルに爽快感が生まれないし、唐突に思い入れの無い味方が死んでも悲しみが伝わってこない。それなりに名のある俳優であれば耐えれるものを。そういう意味で本作はミスキャスト気味であり、例えばあの「レッド」のキャスティングは天才的。主人公側で一番若手のカレン・ギラン(=青ネビュラ)でさえも、撃たれた腕を手当するシーンが無いのは何故だ?最低タンクトップ姿になるチャンスなのに。(;)
※翌日追記。手当どころか縫合シーンあったのを思い出しました。お恥ずかしい・・・

もう一つ、キャラではなく画角的な見切りも何に焦点を当ててるのか疑問なカットがいくつかあったぞ。素人目ながら、例えば画面隅の主人公にフォーカスするカットでその背景(フォーカス合ってない部分)で何を写したい(撮りたい)のか意図がわからなかった。そんな些細な不満が最後まで続いたので名作とは言い難いなぁ・・・残念。このふざけたタイトル(2回目)がもし傑作だったらインパクト絶大なのに。ちなみにガンパウダーとは銃弾に入ってる「発射薬」の事ね。俗に言う「火薬」は厳密には正しくない。劇中これとミルクシェークが全く関連無いのもマイナスポイントか。

GunpowderMilkshake_25.JPG
主人公側の殺し屋組織が隠れ蓑にしている図書館は本を切り抜いてその書名に見合った武器を隠してある設定で、それ故に一般人には開放していない模様。(だよね?)職員は3名、本を読みにくる殺し屋もいなそうなので経営的に成り立つのか心配だし、ジョン・ウィックの「殺し屋組織が一部社会を担う規模」の世界でもなさそうなので設定的にハズしている。

GunpowderMilkshake_18.JPG
本を切り抜いて秘密兵器を入れた事ある人ならわかると思うけど、コレ想像以上に大変でさ。私は小学生の時にやった時は何ページも同じ形で切り抜けなくて頁がパラパラめくれて物を入れるどころじゃなかったもの。(今ならレーザーカッターあれば簡単かな?燃えちゃうかな?)真面目にやろうとするならウレタンを切り抜いて頁と入れ替える方が現実的だな。私は二度とやろうとは思わないけどね。

GunpowderMilkshake_12.JPG
コレ、襲っているのは女性の方ね。(笑;)本作、哀しい人生を歩んだ殺し屋の少女が、同じく殺し屋の母と再会するまで奮闘する姿を描く・・・実は銃器以外の凄惨な肉弾戦が多くて正直引いたぞ。(;マシンガン持った敵に対して斧とかハンマーとかさ。)

GunpowderMilkshake_03.JPG
そんな中で特筆すべきはピストル+バヨネット(銃剣)にペイントされたドラゴンのセンスが秀逸なのに登場シーンが少なくて残念。 (ドラゴン・タトゥ子を思い出したよ。

GunpowderMilkshake_14.JPG
その他パンダ型携帯電話+スーツケース(;)、ボーリング場での死闘、歯医者の陶器製歯形保管箱、と冗談みたいな愛すべきオブジェを大真面目に演出するセンスは凄い。←これは誉め言葉ね。

GunpowderMilkshake_06.JPG
微妙に和風なセット、日本語表記も気になった。それ故に焦点がボヤけてしまったのかなぁ?ガン・アクションに振るのか、シリアスに振るのか、女殺し屋と少女のバディ・ムービー化するか、いろんなコンテンツを散りばめたものの収集付かなかった感じかな。

GunpowderMilkshake_13.JPG
もしかして本作、主人公一同に助けられるこの子が一番上手い演技かもしれない。要所要所「8歳」ではなく8歳と9カ月」を主張するんだけど、「9カ月」って「3 Quarter」って表現するのね。アメリカ人は3カ月単位で成長するのかもしれない。(冗談よ;)確かに10歳未満で3カ月は大きな差だよね。もちろん3カ月なんて夢のように過ぎ去り始めた私のような年齢にはどうでもよい話・・・いや逆にもっと大切に過ごすべきか? (;)

GunpowderMilkshake_22.JPG
89カ月の子を救おうと奮闘する殺し屋な主人公。致命的なミスを犯してしまい、所属組織に追われる羽目に陥る。「両手が動かない時の銃の使い方」を教えてくれる。(;)いや私、予告編で「エンジェルウォーズ」、「チャーリーズエンジェル」みたいに女性キャストがワイワイキャーキャー言いながら悪人を撃ちまくる痛快作品を期待したもののキャスト一覧を見て、そうでは無さそうな事は理解していた。だって主演のカレン・ギランでさえ夢見る少女じゃいられないお年頃だし、あのミシェル・ヨーだって私より・・・お姉さんだし。

GunpowderMilkshake_16.JPG
そして出演者全員無表情で、感情表現がパッとしない感じ。もっとこう「無表情」にも表情あるでしょ?もっとこう・・・さ。正直、この表情でコスプレやドアップ・スローモーションされても痛々しくて観ていられなかったし。(失礼;)

GunpowderMilkshake_02.JPG
驚くのは主役陣以外のキャストの方が皆、人間味と個性豊かな愛すべきキャラを演じている事。歯医者の笑気麻酔でゲラゲラ笑いあう3人組や、息子を亡くしたことを主人公に訥々と語る敵ボス、ロカビリーな敵リーダー(かな?)、実はそっちが見どころかもしれないぞ。きっと既に次回出演作決定してると思うぞ。だってみんな凄くいい味だしてるもの。

・・・そういう訳で万人向けじゃないけど私は面白かったよ。劇場鑑賞前提で。さて次は同日レイトショーでハシゴした「アンビュランス」、コッチはマイケル・ベイ印全開の娯楽大作だ!傑作かどうかはあと数日脳内咀嚼しながら感想文を書きながら結論を出します。(;)


nice!(7)  コメント(8) 
共通テーマ:映画

nice! 7

コメント 8

YaCoHa

鉄腕原子さん、ありがとうございます。
by YaCoHa (2022-04-09 20:55) 

YaCoHa

@ミックさん、ありがとうございます。
by YaCoHa (2022-04-09 20:56) 

YaCoHa

たいへーさん、ありがとうございます。
by YaCoHa (2022-04-09 20:56) 

YaCoHa

ぼんぼちぼちぼちさん、ありがとうございます。
by YaCoHa (2022-04-09 20:56) 

YaCoHa

バラサ☆バラサさん、ありがとうございます。
by YaCoHa (2022-04-09 20:57) 

YaCoHa

のむらさん、ありがとうございます。
by YaCoHa (2022-04-12 02:04) 

うつぼ

私も数週間前に観ましたが、なんとなくモヤモヤの残る映画でした。
なんか勿体ないというか、YaCoHaさんご指摘通りカリスマ性の問題か、
キャスティングなのかなあって思いました。
監督が盛り込みたいものを並べちゃった的な感じもあって、構成とか
演出とかキャスティングで突き抜けて痛快な作品になりそうなのに。。
歯医者の3人組は爆笑ポイントでしたけど。(笑)
by うつぼ (2022-04-27 17:25) 

YaCoHa

うつぼさん、ありがとうございます。(うつぼさんの記事も拝見しました!)あはは・・・そうなんです。あの三人組、いい表情でしたね。

それはそれとして骨折お大事に・・・。
by YaCoHa (2022-05-16 21:38) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。